iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
やっぱり現れたか。

私はその声にわざと気が付かないフリをして前を見て足を踏み出した。


「おい、無視か?」

正解。
分かってるなら聞かないでよ。

私は速足で逃げるように歩いているのに、男はすぐに私の横へ並んだ。


「スーツ、似合ってる」

私は隣に並んだその男を横目でチラリと見た。

私の身長は一六五センチと高い方。
昨日は座っててわからなかったが、ヒールを履いている私よりも遥かに高い男の身長。

前髪は昨日とは違いピシッと固められ、スーツが男のスタイルの良さを引き立てている。

身長も高くて、顔も悪くない。
シワ一つない高そうなスーツ。
腕に付けてる高そうな時計は昨日とは違うもの。

そして、女を褒める。

だから女性に拒否られた事、無いのね。
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