iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
「これ、莉緒が捨てて」

神島仁は胸のポケットから煙草と高そうなジッポのライターを私の左手の上に置いた。


「今から辞めるから、それなら良いだろ?」

今度は私が目を見開いて驚いた。

「でもまた買えば吸えるし……」

「もう絶対に吸わない。誓うよ」

神島仁はニッコリと微笑む。


何なの、この男。

こんな高そうなライターを突然渡されたって私には捨てられないわよ!


「これで俺が煙草吸わなくなったら信じてくれるだろ?」

確かに……それなら信じるかも。


「……煙草、本当に止めれたらね」

「じゃあ一ヶ月禁煙出来たらデートしてよ?」

「はぁ!?」

私は神島仁の言葉に思わず大きな声が出てしまった。
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