iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

「そうですかね、もう慣れましたけどね」

「荻野さんは神島さんとはお付き合い長いんですか？」

煙草とか家族とか呼び捨てで呼んでいる事などが気になって聞いてみた。


「はい、仁を小さい頃から知ってます。私の父がこの会社の専務で昔から家族ぐるみの付き合いなんですよ」

「成る程」

そういうことだったのね。


「そういえばさっきのジッポ、仁のお気にいりなんですよ。特注品だから」

荻野さんの言葉を聞いて益々捨てられなくなった。

「本当に煙草、辞めるかも」

「そうなったら私が困ります」

私が即座に答えると、


「仁は思い付いたら突っ走ってしまうところがあるので、鈴宮さんに迷惑ばかり掛けていたらすいません」

と頭を下げながら謝った。
荻野さんって、神島仁のお兄さんみたいだな。