iNG 現在進行形の恋【濃縮版】

「電話して確認してみると良い。今日は仕事は休みを取っているらしいから、すぐに繋がるはずだ」

「お金、今すぐに返します！」

「無理だと思うがな」


不敵に笑う会長を不思議に思いながらも、とりあえず私は急いで母親に電話を掛ける。

東京を出てから、母に電話したことも、掛かってきたこともない。
こんな風に自分から掛けることになるとは思ってもいなかった。


「何で勝手にお金を受け取ってるわけ！？」

電話に出たのを確認すると私はすぐに言葉をぶつけた。

『久々に電話してきたかと思えば、それ？会長さんが五千万くれたんだもん』

あっけらかんとした有り得ない返答に私は呆れるしかない。
五千万なんて大金を、見ず知らずの人間から簡単に受け取れちゃう貴女が私には一ミリも理解出来ない。