iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
「今すぐ返して!」

『無理よ。だってもう借金に当てたもの』

「……は?」

驚きすぎて握っていた携帯を落としそうになった。

借金……?

「借金はいくらあったわけ……?」

『八百万。でも会長さんのお陰で今日無くなったわー』

電話の向こうからは暢気に笑う母の声。

私は絶句。

血の気が引いた。

「いつからそんな借金があったわけ!?」

『ずっとよ』

もう情けなさずぎて、責める言葉すらも出てこない。
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