iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
まさか聞かれるとは思わなかった。

いやでも、私も坂本君と神島仁のこと聞いたもんね。

訊ねるタイミングと言われれば、そうだよね……。


あの時は情けなくて彼から逃げた。


彼にはあんな惨めな私を知られたくないーーーー




「やっぱり、良いや」


え?


私は驚いて彼へとパッといつの間にか背けていた顔を向ける。


「鈴宮が苦しそうだから。無理して言わなくても良いから」

「坂本君……」


私は聞いたのに……

それなのに、答えない私にも彼は優しさしか見せない。
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