過去があるから今がある
ぱっと顔をあげたその先にはぼんやりと男の子の影が写る。

「あれ、おまえって…。」

涙を拭いて見えた顔は見覚えのあるようなないような顔だった。

「同じクラスの…えっーとーたしか…『蜂谷』?」

こくりとうなずいて見せた麟華に男の子が近づいてくる。

「俺同じクラスの『赤根』たぶんわかんねぇと思うけど。」

またうなずいて見ると、今度は麟華の隣に赤根が座った。

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