一途な溺愛プリンスはベールアップを譲れない
プロローグ
夢か、思い出か
『……しずくおねえちゃん、ぼくたちも、大きくなったらけっこんしようね』
繋いだ手をぎゅっと握りしめて、可愛い花婿がこちらを見上げた。
目が合うと照れくさそうに微笑んだ幼い少年は、純粋な好意を注いでくれる。
澄んだ瞳で見つめられ、胸がきゅんと締め付けられた。
――ふふ、わたしがおよめさんでいいの?
『うん! だってしずくおねえちゃんが世界でいっちばんきれいだもん! きょうのはなよめさんよりも、ずーーっときれい!』
――かーわいい~~!
『あ、またかわいいっていった! もうあかちゃんじゃないって、いってるでしょ!』
思わず抱きついて大福もちみたいに白くてすべすべでぷにぷにな頬に頬擦りしたが、不機嫌そうに身体を押し返されてしまった。
どうやら難しいお年頃らしい。
『そのうちしずくおねえちゃんよりもおーーっきくなって、かっこいいっていわせるもん!』
――うふふ、……くん可愛いから、ほんとにかっこいいお兄さんになれそう
『! かっこよくなったら、けっこんしてくれる?』
吸い込まれそうな大きな瞳が、一段と輝いた。
あの子の問いに、私はなんと答えたんだろうか。
繋いだ手をぎゅっと握りしめて、可愛い花婿がこちらを見上げた。
目が合うと照れくさそうに微笑んだ幼い少年は、純粋な好意を注いでくれる。
澄んだ瞳で見つめられ、胸がきゅんと締め付けられた。
――ふふ、わたしがおよめさんでいいの?
『うん! だってしずくおねえちゃんが世界でいっちばんきれいだもん! きょうのはなよめさんよりも、ずーーっときれい!』
――かーわいい~~!
『あ、またかわいいっていった! もうあかちゃんじゃないって、いってるでしょ!』
思わず抱きついて大福もちみたいに白くてすべすべでぷにぷにな頬に頬擦りしたが、不機嫌そうに身体を押し返されてしまった。
どうやら難しいお年頃らしい。
『そのうちしずくおねえちゃんよりもおーーっきくなって、かっこいいっていわせるもん!』
――うふふ、……くん可愛いから、ほんとにかっこいいお兄さんになれそう
『! かっこよくなったら、けっこんしてくれる?』
吸い込まれそうな大きな瞳が、一段と輝いた。
あの子の問いに、私はなんと答えたんだろうか。
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