一途な溺愛プリンスはベールアップを譲れない
ご機嫌ナナメのわけ
「もう1回お願いします」
「えぇ~伶くん、じゅうぶん欲しいもんはもらってるよー? ほら、コレとかコレとか」
カメラマンの塚本さんが、撮ったばかりのデータをモニターに映す。
宝来寺 伶は、あの吸い込まれそうな綺麗な瞳で、真剣にチェックをしていた。
「……もう1回お願いします」
お願いします、という言葉を使ってはいるが、人にものを頼む態度ではない。
これは……そう、“脅迫”だ。
長くなりそうだ、と思ったのか、手持ち無沙汰になりかけたアシスタントのひとりが、退屈そうにスマホをいじり始めた。
ギロリ、と鋭い視線が飛んでくる。
それに素早く反応するように、マネージャーの石神さんが「すみません、ちょっと」とアシスタントに声をかけた。
彼は二度と生きて帰って来られないんじゃないか、そんな物騒な想像がよぎり、ぞっとする。
「えぇ~伶くん、じゅうぶん欲しいもんはもらってるよー? ほら、コレとかコレとか」
カメラマンの塚本さんが、撮ったばかりのデータをモニターに映す。
宝来寺 伶は、あの吸い込まれそうな綺麗な瞳で、真剣にチェックをしていた。
「……もう1回お願いします」
お願いします、という言葉を使ってはいるが、人にものを頼む態度ではない。
これは……そう、“脅迫”だ。
長くなりそうだ、と思ったのか、手持ち無沙汰になりかけたアシスタントのひとりが、退屈そうにスマホをいじり始めた。
ギロリ、と鋭い視線が飛んでくる。
それに素早く反応するように、マネージャーの石神さんが「すみません、ちょっと」とアシスタントに声をかけた。
彼は二度と生きて帰って来られないんじゃないか、そんな物騒な想像がよぎり、ぞっとする。