一途な溺愛プリンスはベールアップを譲れない
 写真の中の“私の知らない私”は、自分で言うのもなんだがとても綺麗に写っていた。

 花婿を優しい瞳で見つめ、幸せに満ち溢れていて……。


 この写真を撮影したカメラマンには、写真をもらう時に姿勢を褒めてもらった。


――伶くんから聞いたんだけど、前にモデルやってたんだって? もう、そういうことは早く言ってよ~~!



 ……知らない。


 知らないのだ。そんな自分は。





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