出られない51の部屋
47の部屋
あと四部屋だというのに、ここにきてこんなのが来るとは。
『あっち向いてほいをしないと出られない部屋』
この文に、ミケは喉を鳴らして笑っている。
「どうする、雪?」
「……さっさと終わらそう」
「おっけー。じゃあ、最初はグー!」
「じゃんけん」
お互い「ぽん」と声を合わせて、手を振り下ろす。
私はグー、ミケはパー。
ミケは明るい声で、「あっちむいて」と私に人差し指を向ける。
……どこを、向こうか。
そんな考えが、頭の中に過る。
「ほい!」
ミケのその言葉と共に、扉の開く音が聞こえた。
結局、私は上下左右、どちらにも顔を向けられなかった。
だけど、それはミケも同じだったようで。
ミケの人差し指も、ただ真っすぐ、私の方に向けられていいた。
「……なんだ、これ」
ミケのそんな呟きに、私は「ふふっ」と、小さく笑う。
どうしたらいいのかわからないのは、私もミケも一緒だった。