moon~満ちる日舞う少女~【下】
美「ごめんおまたせ!」
馬「そんなに待ってねぇから大丈夫」
な、なんかこれ外から見たら彼氏彼女みたいな会話じゃない?
美「あ、ごめん!朝ごはんコンビニで買ってきてもいい?」
馬「いいぞ!」
私は急いで中にはいる。…そこですぐに後悔した。
順「美月…」
順太郎と会ってしまったのだ。…いつか、焼肉行った日にあったコンビニはここじゃなかったのに…。なんでここで会うの?
私は無視して角を曲がろうと思ったけど
順「あの、美月っ!」
引き止められてしまった。実際、順太郎とは他のみんなより話す機会少なかったからどう対応してらいいか戸惑う。
美「なに?月龍を裏切ったことなら…」
順「あの…」
美「…」
順「昨日、階段から落ちたって聞いたんだけど、大丈夫だったッスか?」
美「あ、うん…」
順「…そこで、香月と修也が言い争ったって聞いたんすけど…。なんか香月が月龍を抜けるとか…」
美「え!?」
香月が…月龍を抜ける?……あの後、私は意識を飛ばしたからその時のことはわからない。
順「俺は香月が抜けるのは嫌っす。……だけど、美月が傷つくのも…嫌っす。」
美「私は別に傷つかない」
順「……美月が…月龍を裏切ったって聞いた時、すごくびっくりしました。…修也や勝は信じられないって…」
美「…」
順「俺は、美月がそう決めたんなら何も言わないっす。」
美「え…?」
順「裏切り者でも…。…俺が…少しだったけど、美月と過ごした時間は嘘じゃないって思ってるし楽しかったことも忘れたくないって思ってるッス。」
まただ。…勝も順太郎も、同じことを私に言う。…でもね、少しだけわかった。月龍にいるみんなは月龍が暖かくて好きだってことに。私みたいな闇で染まった人からすれば、絵空事を詰めたみたいで嫌だけど…
それが、大切な場所だって人もいるんだね…。
美「…うん。…忘れないでいいよ。…」
そういうと順太郎は少し嬉しそうにした。