moon~満ちる日舞う少女~【下】
美「何してたの…?」
香「勝が月龍を抜けるなって脅してくるぅ!」
勝「だめだよ!!香月はまだ月龍の人間だからねっ!」
なるほどね。
香「俺は抜けるっ!修也にも言っといたし」
勝「だぁぁぁめぇぇぇ!!」
香「抜ける!!」
勝「だめ!」
香「抜けるっ!」
勝「だめ!!」
香「こんな調子なんだよ!美月どうにかしてくれ!!」
勝「それはずるいよ!美月ちゃんも香月に抜けて欲しくないよね?!!!」
もう切羽詰まった感じだったから勝は普通に私に話しかける。というより、もう「うんって言って!!」感が半端ない。
美「えと…みんなでちゃんと話し合ったら…?」
そんな勝につられてか、それとも不憫に見えたからか。わからないけど私は答えていた。
その返事を聞いて勝は、正気に戻ったようで、驚いていた。いや、どちらかと言えば嬉しがっていたかもしれない。
勝「み…っ!………とにかく、今日は倉庫ではなしあいね。逃げないでよ!」
それだけ言って勝は教室にはいっていった。
勝はきっと、私の名前を呼ぼうとした。でも辞めた。分かっているんだろう。