moon~満ちる日舞う少女~【下】
修「ごめんな。沙耶さんを逃がしたのは俺なんだ」
勝「え…?」
そいつは初めて顔をあげた。
修「お前がそこまで沙耶さんを想ってたの知らねぇで勝手に…」
勝「本当に、修也さんが?」
修「ああ。沙耶さんは、つらいって泣いてたから」
勝「沙耶さんが……」
ーファンファンー
修「って、本当にやべぇ。逃げるぞ!」
勝「…でも俺は…」
修「逃げて、仲間を見つけるんだ!そしたら強くなれる」
俺はさっきフルムーンから言われた言葉をそのまま言った。
勝「仲間?」
修「あぁ。お前は俺の第一号の仲間な!!だから早くにげるぞ!!!」
勝「第一号……。…うん」
俺はそいつとパトカーの音が聞こえなくなるまで走った。