moon~満ちる日舞う少女~【下】
次の日、昨日まで球技大会でみんなと笑いあってたのが嘘のように、慌ただしくなった。
少しずつ、けど確実に、悪い方向に事が進んでいた。
総「大鳥ー、川見達はー?」
美「知りません」
香月、修也、勝。3人とも教室に来ていなかった。…なぜいないかは知らないけれど、ただのサボりではないことはわかっていた。
それは昨日の夜のことだ。
ーー…
私は自分のマンションには帰らず、今日だけ家に帰ってきていた。
香「はっ?!…なんだよ…それっ…」
んー、どうしたんだろ?電話?…香月。めっちゃ焦ってる…。
香「すぐ行く!!!」
美「え、ちょっ。香月もう10時だよ?!」
香「悪い!!ちょっと倉庫行ってくる!!」
香月はソファにかけてあったパーカーをもって、それだけ言うと急いで家を出ていった。
倉庫…?…月龍で何かあったのかな?
私はつっこめられない出来事か。…だったら大人しくしていよう。
ーー……
と。軽くかんがえていたけど、結局香月は昨日帰ってこなかった。
美「宮野ー」
ホームルームが終わり、教室から出ていったところを狙って宮野に声をかける。