moon~満ちる日舞う少女~【下】
なんでわかるんだろ…。やっぱり幼なじみだから?
奈「まだ方法はある」
その奈津の瞳は今まで見たことのないような、強い意志が込められていた。
私の隣に奈津が座って、愛斗さんが奈津の向かいに座る。「立ち話もなんだしな」と愛斗さんが切り出したのでソファに腰をかけた。
愛「で、奈津。…方法ってのはなんだ?」
奈「…出来るかどうかとかなしで考えれば3つ。…1つ目は、直接行って話し合いをする。2つ目は、財前家の弱みを握る。んで…3つ目が、対等の人を探す」
美「…最後の……対等の人って?」
奈「そのまんま。…名家には名家を。……財前家には劣るだろうが、その手の財閥のやつを使うことだ」
うーん。1番好ましいのは、1つ目の話し合いだ。…だけど、成功するとは到底思えない。
だからといって、財前家の弱みなんて普通に見つけられるわけがない。だったら3つ目?…けど……
愛「あっ…!」
美「…どうしたんですか?」
愛「いた」
美「…なにが…ですか?」
愛「3つ目に該当する生徒が!!!」