moon~満ちる日舞う少女~【下】
救出作戦
千「ごきげんよう」
「あ、赤羽の…っ」
「いつみても素敵だ…」
「存在感がちがうな」
ただいま私達はすごい高級ホテルにいた。
あのあと、私はメイドに奈津は執事に、服を着せられある程度の設定(?)をつけられた。
当主「うおっほん。…アレが財前現当主だ」
コソッと言われた当主の言葉につられて、そのまま目線を進ませる。
そこには、スラッとした男がいて、陸に似ていた。
この人が財前家の当主。風格がある。
財前「おや?…赤羽財前の!」
当主「赤羽時見の当主、源三郎でございます」
財前「そう固くならないでくださいよ。」
千「お久しぶりです、娘の千代です」
財前「おぉ、ずいぶん大きくなられて…。どうだね、前に出した2人の婚約。勧めてみる気はないかね」
当主「その件なんですが、息子さんはこちらに来ておられないんですか?」
財前「来てますよ。そこらへんのイスに座ってます」
ははは、ぐったりしてるんだろうな。
当主「よければ、婚約の件勧めていただけますか?娘も同じ学校の彼なら、と思っているようで」
財前「本当かい?!…嬉しいな〜。じゃあ、今度見合いの席をもうけよう。」
当主「感謝いたします。…それより、陸君はこれから学校はどうするんですか?…時期当主になられるんですよね」
財前「うむ。…学校はやめさせようかと思っている。」
千「どうしてですか?!!………は、申し訳ございません!」
財前「ハッハッハッハ。かまわないよ。…陸にはあの学校は狭いかと思ってね」
千「そんなことは…」
財前「そうかな?…財前家の長男があのような学校で卒業して、得をするかな?」