moon~満ちる日舞う少女~【下】
香「姉ちゃん荷物は?」
美「このとーり!!」
中くらいの赤いキャリーバッグ。私の髪の色とそろえたのっ!カバンくらい、その色でも気づかれないだろうし。…あ、髪の色ってのは、舞月のときの…って意味ね!
香「よし!行こう!」
美「ぃよっしゃぁ!」
さぁ家をでよう!という時に、チャラチャラと私の携帯がなった。
美「ごめん、香月。先行ってて」
そう言ったのは、かかってきたのが奈津からだったから。こんな時間に奈津からかかってくるなんて何かあったからか、今報告しないといけないことがあるか、だ。
美「はい」
奈『悪いこんな時間に。…急ぐから手短に言うな?…今帝王っていう族が勢力を伸ばし始めている』
美「帝王?」
聞いたことないな。
奈『…最近あっという間に上り詰めていて、これは異常だと思ったんだ。』
美「どのくらいのぼってきてるの?」
奈『できて2ヶ月たっていないくらいで、今大体19位くらいだ』
2ヶ月で19位?!…相当な数のある族のなかで、そこまで登るなんて…愛斗さんの代の夜舞以来じゃない?!