moon~満ちる日舞う少女~【下】
〜修也side〜
勝「ねぇ…あれ…」
勝が指さしたのは校門。そこには美月がいた。そして美月が待っていたのは…確か黄平の総長…仕草だ。
亮「あれって仕草さん…だよね…?」
順「やっぱり美月は裏切ったんすか…?!」
否定の声は上がらない。ただ他に…
香「は…?……どういうことだ?…まさか、そんなわけねぇ!裏切ったなんてっ、あんな噂、嘘に決まってんだろ!!なぁ、美月!!!!」
尋常じゃないほど焦った香月の声。今にも屋上から飛び降りそうで、亮と勝が必死で止めた。
香月は2人の手を振り払うと、屋上を出ていった。
勝「香月…やっぱり美月ちゃんのこと…好きなのかな…」
修「わからない。…けど、あれはただの友達に対する気持ちじゃない。…相当…好きなのかも…しれねぇな…」
あんなに必死になる香月をみるのは初めてだ。…女っ気がない香月が1人の女に。…その女は、俺の好きなやつでもあった。
だけど、さっきの光景見せられたら…どうしようもねぇだろ?
姫と王子みたいで。…俺らの知らない美月がそこに居て。
修「…クソッ…っ」
もう、どうしたらいいかわかんねぇよ…。