moon~満ちる日舞う少女~【下】
総「んじゃかいさーーーん!!」
修「えーっと、陸と順太郎は…」
順「しゅーーーーやーーーーー!」
ぴょんぴょん跳ねながら大きく手を振る順太郎と、その隣でポケット手を突っ込んだままの陸がいた。
離れていたら、ナンパでもされそうなほど存在感がある。
順「やっとみんなそろったッスね!!」
修「だなっ!」
勝「いよーーし!いっこーう!!」
陸「……この前は、助かった」
美「え、あっ。……別に大したことしてないよ」
先頭を歩く勝たちと離れ、後ろの方で陸が私に声をかけた。……正直いうと、驚いた。
陸「それでも、俺には大したことだった」
美「…この前、帰りにもお礼言ってくれたし。それだけで十分だよ」
陸「……そうか。…いつか、この借り返すから」
美「別になにか貸したつもりはないよ」
陸「俺が勝手にそう思ってるだけ」
美「……うん。」
勝「ねぇー!!美月ちゃんと陸遅いよぉ?!!早くぅー!!!」
美「はーーいっ。……いこうっ」
陸「…ああ」