moon~満ちる日舞う少女~【下】
南「って、パトロール来たのはええんやけど…」
美「うん。なんもなくて平和だ」
よいことだ。
美「よし、街の方にも行ってみるか」
街はよく悪いやつがたむろってるし。
南「おわっ…なんや……これ」
美「不良が全然いない…」
私と南はとりあえず街を歩く。ちょうど運良く通りかかったと思われる不良の襟を掴み、ちょっとだけお話!(そう思ってるのは美月だけだが)
「ひぃっ、…っ舞月さんか…。…あ、いや!な、なんでしょう!」
この辺りのやつらは二つに別れている。一つは舞月の私をよく思わず喧嘩をふっかけようとしてくるやつ。もう一つは、私を怖がったり讃えたり(?)してこいつみたいに舞月さん、なんて呼び方をしている。
美「…なにがあった」
「…あ、いや…っ」
美「なにが、あった?(黒」
「ヒィッ!…えっと、ここを通った人に、喧嘩をふっかけたやつがいて!!返り討ちにあったとかっ…!…しかもそいつがすげぇ強くて!!」
美「へぇ。…どんなやつ?」
「俺も遠くからしか見てなかったんで、よくわからないっすけど…身長は高くて、すらっとした感じでした。モデルみたいな…」
モデルみたいなやつ?
「あ!…なんか、月龍のこと…聞いてました!」
月龍のこと?!!…まさか…っ
美「なんて聞いてたんだ?!!」
「え?…えっと…確か、月龍の強さを教えろって…」
美「他には?!」
「あ!…そいつ、て、帝王?ていう刺繍をつけた白い特攻服を持ってました!!」
帝王…っ。…最悪だ……動き出していたなんて…