moon~満ちる日舞う少女~【下】
〜美月side~
市「ふははっ……」
市川!!…っやっぱり帝王の仕業っ。
市「おや?…新たな役者が到着したようですねぇ」
修「美月?!!」
勝「美月ちゃん?!!」
陸「なんで来たんだよ!!」
順「危ないッス!!!」
亮「早く逃げてください!!」
屋上にいたはずの私がここにきて驚き、逃げろと主張する月龍。…今日亮との初めての会話が逃げろだなんてな、と心の中で思った。
何も言わなかった香月は、私の方を見ようとしない。…私も何も言わない。…香月の気持ちが痛いほどわかっていたからだ。
市「…逃げませんよね。…友人が困っているのに」
修「だめだ!!逃げろっ!」
私が戦えばきっと舞月だとバレてしまう。…でも市川の言う通り、修也たちがボロボロなのをほっておくことも出来そうにない。
美「私は…」
ーヴォンヴォンー
数台のバイクの音に私の声はかきけされる。
市「おやおや、こっちの役者も今登場みたいですね」
修「まだ、増えんのかよっ…」