moon~満ちる日舞う少女~【下】
ートンっー
私の頭に突きつけられた拳銃。
みんなの顔が青ざめた。
瀬「これなら、もっと面白くなんじゃねぇ?市川」
市「…うーん、そうですねぇ…」
香「美月っ」
瀬「おっと!動くと撃つぞ」
そういうと月龍みんなの動きが止まった。その隙に相手は殴り蹴りを繰り返す。
美「私はいいから!!!!」
瀬「銃をつきつけられて、仲間のことを想って自分を犠牲にする。…いい女じゃねぇかぁ~」
みんなが殴られる。抵抗もせずに。
幹部以上はかろうじて受け身をとったり、うまく受けてはいるけど、それも時間の問題。
…これは、私のせいだ。
また私は、私のせいで誰かを傷つけるの?
市「…瀬汐くん、それよりもこっちの方が効果的です」
市川は瀬汐から銃を奪い取り、別の人物に銃口を向けた。
市川はわかっていた。…そうすれば私が動くことを。
修「香月!!!」
瀬「は?…そっちにむけたら、もっと楽しめんのかよ?…」
市「はい。…まぁそれはその人次第ですけど、でも……あなたは動きますよね?」
市川がニヤッと笑った。それよりも早く私は走り出していた。
美「香月ぃ!!!!!」
ーパンっ!!ー