moon~満ちる日舞う少女~【下】
香「ぐぁぁぁぁあ!!!」
香月が地面に倒れ込んで肩を抑える。
弾丸がかすったみたいで、血が流れていた。いや、かすっただけなら良かったそう思うけど、かすっただけでも痛いことをしっていた。
修「香月っ!」
勝「香月!!」
陸「おい!!!しっかりしろ!」
順「血がっ!!」
亮「みなさん冷静に!!…タオルを!!」
下っ端がタオルを亮に渡し、亮はそれを香月の腕にまく。するとたちまち、タオルは赤に染まった。
市「あらら~よけられてしまいましたね」
修「おいてめ… 「市川ぁぁぁぁ!!!!!」
私が叫んだ。
市「ふっ、ははっ。やっとですか…」
勝「美月……ちゃん…?」
こいつは、私の大切な弟に傷をつけた。…どうしたらいい?…いいよね、やっちゃっても。
美「…お前、今何やったかわかってるよなぁ」
市「わかってますよ。だからしたんです」
美「こうなることも読んでたってかぁ…?」
市「はい」
香「み…つき…っ…」
順「香月今は喋らねぇっスよ!」
香「…だめ…だ…っ」
ゆっくり起き上がる香月に私は笑いかける。
美「…香月を撃っておいて、あいつを許せない」
香「俺は…っ大丈夫…だから…っ!」
美「…」
香「だめ…だ!……お願いっ…もう、失いたく…ないっ……大切な人を…失いたく…な……い……」
…香月……まさか、記憶が?!!
そう思った時にはもう、香月は意識を手放していた。