moon~満ちる日舞う少女~【下】
馬「おお!!ここが舞月の住んでいる家ですねぇ!!」
美「まぁ引っ越してきたのは最近だけどね」
私はお茶をいれてテーブルの上に置く。
馬「あ、どうもっ。……ところで俺に言いたいことって?」
美「あぁ、そうそう。……馬村ってなんで私に敬語なの?」
会った日はタメ口だったし、相当生意気なこと言ってたもんな。別に気にはしてないけど。
馬「…それは……。……憧れちゃったから…」
美「…憧れ?私に?」
馬「はい」
あぁ。修也の時も、私に憧れてるって言ってたな…。
美「…強くて、仲間思いで、芯があって…」
そう、言ってたっけ?…馬村も同じだろうな。
馬「確かに、それもありますけど…。純粋に、誰もをねじ伏せるその強さに、憧れたんです」
美「…?」
馬「どんな敵もあっという間に片付けて、這いつくばらせる。…そして、その相手に敬意を持ってる。そこに憧れをもったんです」
美「…敬意?」
馬「…自分で気づいてないんですか?……俺にはそう見えたんですけど…。……って、それはいいんですけど…そんなこと聞いてどうすんですか?」