moon~満ちる日舞う少女~【下】
私は一番修也を傷つける言葉を選ぶ。
美「初めから月龍とは関わりたくなかった」
修也が悲しみで顔を歪ませた。
美「月龍の姫になったこと後悔してる」
恨んでいいよ、修也。最低な私を。
…たくさん見てきたの。今の修也のように悲しみで顔を歪ませた人を。それはつまり、たくさんの人を傷つけてきたってこと。
そんな最低な私を、裏切り者と呼んで。
美「…もう、月龍とは関わらないっ」
最後にそう告げて屋上のドアノブを握った。
美「…私はこのままサボるけど、修也は授業でなよ。さすがに進級できないから…」
それだけを言って私は屋上を出た。