私の失恋の行き着く先は…No.3


「えっ、ここ、どこ?」

明らかに私の部屋ではない。

そのことに気づいて、先ほど感じた頭痛は一気にどこかへ吹っ飛んでしまった。

私の左側にクローゼットがあるのが視界に入った。

これにも違和感を覚えながら、今度はゆっくり右側を見た。

「ひゃっ!」

なんとも変な声が出てしまい、咄嗟に両手で口を覆った。

そこには、もう1台ベッドがあって、明らかに誰かが寝ている。

布団から後頭部だけが覗いて見える。

頭の中は真っ白で声も出ず、身体も固まってしまって動けない。

落ち着け!落ち着け!と何度か頭の中で呪文のように繰り返していた時だった。

正体不明の人物が寝返りをうって、こちらに向いた。

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