私の失恋の行き着く先は…No.3
「ひぃっ!」
悲鳴に似たような、人生で初めて出してしまった声に私自身驚き、また両手で口を覆った。
けれど、その声でその人物は目を覚ましてしまった。
目を見開き、何度も瞬きをする私と目が合うと、彼はゆっくり身体を起こした。
彼…、つまり男の人で…、そして正体不明の人物を私は知っていた。
「さ、さ、西条先生!?」
「あぁ、起きた?今何時かな?」
どうして!?とか、なんで!?とか、パニック状態の私はただ口をパクパクと動かすことしか出来ず、うまく言葉が出てこないのに対して、この西条先生はなぜか落ち着いていて、余裕の表情でベッドのサイドテーブルに置いてあるスマホを見て、「あぁ、8時か」と呟いた。