私の失恋の行き着く先は…No.3
さすがは弁護士。
私がどう足掻いたところで勝てる相手ではない。
「わかりました」
根負けした私は西条先生のお誘いを受け入れた。
最後の足掻きで残業でもしようかと考えていたのに、それを見透かすかのように定時と同時に連行されてしまった。
「西条先生、暇なんですか?」
「おかげさまで毎日忙しいよ」
なに、その余裕の表情は。
西条先生はお酒に強いのか、すでに5杯目のビールを飲んでいる。
今日は絶対酔うものかと、私は1杯目をチビチビ飲んでいる。
「私と飲んで楽しいですか?先生なら選り取りみどりでしょう?なにも私を誘わなくてもいいのに」
「確かに肩書き目当てで寄ってくる人もいるけど、そういうのは不快だね。言っとくけど、しばらく誰とも付き合ってないから。遊びもしてない」