私の失恋の行き着く先は…No.3
私がいくら誤魔化そうとしても、西条先生の視線は熱いまま、私を真っ直ぐ捉えている。
「何度でも言うけど、本気だよ。こんなに欲しいと思ったのは初めて」
「そんなこと言われても困ります。だって私、これまで男の人と付き合ったことないんです」
「えっ!?」
さすがの西条先生も、この告白には驚きを隠せないようだ。
でも、お酒の力を借りてでも言わないと。
「28にもなって恋愛初心者とか有り得ないって思うでしょう?この前は結婚詐欺に遇いそうになるし」
「結婚詐欺?」
西条先生の目付きが怖いくらいに鋭くなった。
「お金盗られたりとかはされてないですから大丈夫ですよ。でも、この歳で優しく扱われて嬉しかったのは事実なんです。西条先生に本気だと言われて嬉しく思う反面、疑いの気持ちもないとは言い切れないんです。面倒でしょう?こんな女…」