私の失恋の行き着く先は…No.3
「次の休み、指輪見に行こう」
「はい!?」
西条先生は握っていた手を緩めて、私の左手薬指をトントンと指差した。
「安住律華さん、結婚を前提にお付き合いしていただきたいのですが?」
私はポカンと口を開いたまま、言葉が出てこない。
「俺のほうこそポイされても困るから。返品不可」
こんな人をポイする人なんているのだろうか。
なんだか可笑しくなって気が抜けてしまった。
「どうぞ、お手柔らかにお願いします」
なんと言っても私は恋愛初心者だから。
そう言うと、西条先生は満面の笑顔で頷いてくれた。