私の失恋の行き着く先は…No.3
「なにこれ!?」
急いで紙袋を閉じて、蓉子さんを追いかけようと、勢いよくフロアを出ようとした。
「うわっ」
人にぶつかってしまい、紙袋が手から滑り落ちた。
慌てて紙袋を拾い上げ、ぶつかった相手のほうを見る。
「西条先生!?」
そこにいたのは、私の婚約者となった西条先生。
「大丈夫?」
先生に見下ろされて、咄嗟に一歩後ろに下がった。
「だ、大丈夫です。ちょっと急いでて、すみません。先生は?」
「打ち合わせ。今日は部長さんと」
「そうですか…」
出来れば早く話を切り上げて、蓉子さんを追いかけたい。
紙袋を両手で握りしめ俯く私に、西条先生は背を屈めて小声で囁いた。