私の失恋の行き着く先は…No.3
「それ5杯目じゃない!律華はお酒弱いんだから、その辺で止めときなさい」
「はい…」
さすがに蓉子さんにピシャリと言われてしまうと、酔っぱらって頭が働かなくても無意識に姿勢を正していた。
蓉子さんは同じ会社の秘書室の室長代理で、専務の奥様。
私の尊敬する先輩である。
そんな蓉子さんを怒らせると怖いことは重々承知している。
カクテルの代わりにお水を口にするが、だいぶ酔いが回ってきたらしい。
「律華?寝ないでよ?」
「寝ませんよぅ。あれれ?蓉子さんが二人いる~」
睡魔に襲われて瞼を閉じつつも、気分は楽しくてキャハキャハと笑いが止まらない。
「酔っぱらった律華も可愛いけど、全く困った子ね~」
蓉子さんは大きく溜め息をついた。