私の失恋の行き着く先は…No.3
蓉子さんの声がなんだか遠くから聞こえてくる。
酔っぱらいの相手は本当に面倒だろうと思う。
けれど、酔いたくもなる。
法務部で働く私が未遂とはいえ結婚詐欺に遭遇するなど、なんの冗談かと笑ってしまう。
そして、とても腹立たしい。
様々な感情が交錯して、身体も心もクタクタになっていた。
「律華!?律華!?」
蓉子さんの呼び掛けに応えることが出来なかった。
私のその日の記憶はそこでプツリと途切れた。