大切なもの
そう言った途端、樹里の目には涙が溢れてた。
「良かったぁ。つかさが私のこと嫌いになってたらどうしようかと思った」
「ごめんね樹里。もっと樹里のこと見てあげれば良かったね。彼氏ができたことに浮かれて、樹里のこと考えられなかった。本当にごめんね」
心から謝る。だって、それは樹里だけが悪いことじゃないから。
「私こそ、いきなり避けたりしてごめん。本当にごめんなさい」
樹里は泣きながら謝っている。