僕の妻は理解不能
「ただいまー」
「あ!恭也さん!おかえりなさい!」
エプロン姿でキッチンから顔を出す愛菜が見えた。
可愛いなぁ
「恭也さん、ごめんなさい!
さっき帰ったばかりで…
今作ってるので少し待っててください!」
「どこかでかけてたの?」
加賀くんの言葉と今日気になったことを思い出した。
愛菜…誰と何をしていたんだろう…
「あ、えっと…
その…」
愛菜は答えにくそうな表情をしながら
料理していた。
僕はカウンター越しで愛菜の顔を見ながら
答えてくれるのを待った。
「怒らないでください。
クリーニング屋さんへいってたんです」
「クリーニング?」
「はい。
また、洗濯に失敗してしまって…
恭也さんのYシャツを…」
僕の心配はどこかへ消えた。
僕がいない間、愛菜が僕のために何かしてくれていることが嬉しかった。
ーーギュッ
「恭也さん?」
「気にしてないよ。ありがとうございます。」
キッチンにいる愛菜を
愛おしく思い、後から抱きしめた。