僕の妻は理解不能


到着してからは
スタッフの方に案内されて

たくさんのウェディングドレスに
愛菜が嬉しそうで
母さんも楽しそうで
父さんは泣いてて…


「虎之介、ビデオ回しててね!
終わるまでずっとよ!!」

「了解です、母さん!」

「んで、恭也も着替えとくのよ!」

「…はい、母さん…」


愛菜と母さんは別室で着替え始めた。
ロビーから見える、湖に映る太陽があまりにも綺麗で
ちょっと感動した。

「すごいだろ。
きっと愛菜ちゃんに似合うと思ったんだ。
この、夕日が。」


確かにすごく幻想的で
まるで天に吸い込まれるような
景色に愛菜がいたら

本当に天使だ…



僕は日本人なら神前だと思っていた。
それが当たり前で日本人として常識。
そう考えていた。



< 46 / 121 >

この作品をシェア

pagetop