僕の妻は理解不能
着替えが終わり、先に教会の方に向かった。
教会はガラス張りになっていて
湖と夕日が良く見えて
ロビーよりもすごく綺麗だった。
「こんなものがあるなら
ここで結婚式でも良かったかもしれないな…」
「兄さん、しんみりしてるとこ悪いけど
本日の主役が来ました。」
「え?…」
後ろを振り返ると
愛菜がいた。
たしかに愛菜だけど
美しく綺麗で純白のドレスがここまで似合うなんて思わなかった。
隣にいた父さんはすでに泣いていた。
「愛菜ちゃん、本当に天使みたい!!」
「ありがとうございます
虎之介さん、これ回ってるんですか?」
「バッチリ撮ってるよー!」
母さんと虎之介と愛菜が楽しそうに話していて
父さんが泣いていて
後ろを振り返ると夕日が綺麗で
みんなが喜んでいることが…
あぁ、
初めての感情だ。
これは…
悪くない。
僕はこの幸せを
強く、強く、噛み締めた。