僕の妻は理解不能
水族館について
入口付近にお土産ショップがあった。
「拓翔くん、お土産は
帰りの方がいいだろ?」
「そうだな。
とりあえず、荷物をロッカーにいれよう。」
お土産ショップの向かいにはコインロッカーがあった。
着替えが入ってるバッグをしまおうとした。
でも、隣に軽い荷物を持っていた
愛菜がいなかった。
「あれ?愛菜?」
「あ、愛菜なら
あそこですよ!ずっと、見てます!」
はるちゃんが隣ロッカーを閉めて
お土産ショップの方を指指した。
愛菜はテーマパークで売ってるような
被り物に夢中になっていた。
僕はロッカーに荷物を入れて
はるちゃんに、もうひとつ空いてるロッカーを確保しといてもらい、愛菜のところに向かった。
「愛菜、荷物入れよう。」
「恭也さん…」
「どうしたの?」
「これ、買っていいですか?」
愛菜が手に取ったのは
メンダコのかぶりものだった。
アザラシやイルカ、可愛いものはたくさんあったのに、何故メンダコ?と僕は思った。
でも…
メンダコを被って
どうでしょう?と欲しそうな顔をする愛菜が
可愛くて…
気付いたらレジでお金を払っていた。
「恭也さん、ありがとう!」
嬉しそうな愛菜。
はるちゃんとまた手を繋ぎ、1番最初の展示エリアに行こうとしていた。
「恭也くん、甘いねー」
「いやいや、拓翔くんだって…」
愛菜が持っていた手荷物を入れたあと
はるちゃんは首からかけるポーチを買ってもらっていた。
可愛さにはかなわない。
ある意味、降参です。