言い訳～blanc noir～
「いや、さすがにこの状況で抜けるのはまずいよ」


　すると美樹がジントニックを一気に飲み干しグラスを掲げた。

　全員の視線が美樹に集まる。


「椎名さんの事これからお持ち帰りしますので」


　もう皆呆れながら「ご自由に」と笑っていた。


「行きましょ？」


　半ば強引に美樹に腕を組まれ、その席から二人は抜け出す事になった。


　その日のうちに美樹から強引にキスされた。そこそこ男慣れしている美樹にとって、目当ての男を落とすには多少の積極性ということを承知しているようだった。


「ファーストキスなんです。責任取ってくださいね」


「そんな見え透いた嘘に騙されると思ってるの？」


　酒が入っていたからだろうか。気が付くと美樹と裸で朝を迎える事になった。


「私、椎名さんの彼女って事で。よろしくお願いします」


　目覚めるとなぜか彼女が出来ていた。
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