言い訳~blanc noir~
それから1年数ヶ月。
美樹に対しての愛情は増える事もなければ減る事もない。
これが“好き”という感情なのか和樹自身よくわからなかった。
ただ、知ってしまった。
本気で誰かを思う事、それはとても苦しくて、どれだけ求めても求め足りないほどその人の事が愛おしくて、切なくて、気が狂いそうになる。
―――広瀬 沙織。
多分これから先、これ以上の思いを抱く事はないだろう。
そう心から思った相手は皮肉な事に他の男の妻だった。
出会った時期が遅過ぎたと悔やんだ事もあった。
どうして俺じゃない他の男の元へ帰るんだと嘆いた事もあった。
今思えば、そんな感情がちっぽけな事のように感じる。
“俺が幸せにしてあげたかった”
その和樹の思いは一生叶う事はない。
沙織はもうこの世にはいないのだから。
美樹に対しての愛情は増える事もなければ減る事もない。
これが“好き”という感情なのか和樹自身よくわからなかった。
ただ、知ってしまった。
本気で誰かを思う事、それはとても苦しくて、どれだけ求めても求め足りないほどその人の事が愛おしくて、切なくて、気が狂いそうになる。
―――広瀬 沙織。
多分これから先、これ以上の思いを抱く事はないだろう。
そう心から思った相手は皮肉な事に他の男の妻だった。
出会った時期が遅過ぎたと悔やんだ事もあった。
どうして俺じゃない他の男の元へ帰るんだと嘆いた事もあった。
今思えば、そんな感情がちっぽけな事のように感じる。
“俺が幸せにしてあげたかった”
その和樹の思いは一生叶う事はない。
沙織はもうこの世にはいないのだから。