言い訳~blanc noir~
―――その夜。
風呂から上がりソファで煙草を吸っていると寝室から夏海が出て来た。あの日以降、和樹は沙織の部屋で眠り、夏海は寝室で一人で寝ていた。完全に家庭内別居だった。
「ビール飲まない?」
夏海が缶ビールとグラスを手にしやって来た。和樹の返事も待たずに夏海がグラスにビールを注ぎ和樹の前に差し出した。
夏海は自らビールを注ぎ、一気に飲み干すと和樹を見て笑った。
「どうしたの?」
訝しげに夏海を見つめながら訊ねる。すると夏海が言い辛そうに何度か口ごもりながら困ったように笑う。その様子を無言で眺めていると夏海が顔を上げた。
「エッチしたいの」
その言葉に和樹が冷めた目で笑った。
「抱いて欲しいの?」
夏海が唇を噛みながらこくりと首を縦に振る。
「脱げよ。抱いてやるから」
和樹の言葉に従うように夏海はパジャマのボタンにゆっくりと指をかけた。
風呂から上がりソファで煙草を吸っていると寝室から夏海が出て来た。あの日以降、和樹は沙織の部屋で眠り、夏海は寝室で一人で寝ていた。完全に家庭内別居だった。
「ビール飲まない?」
夏海が缶ビールとグラスを手にしやって来た。和樹の返事も待たずに夏海がグラスにビールを注ぎ和樹の前に差し出した。
夏海は自らビールを注ぎ、一気に飲み干すと和樹を見て笑った。
「どうしたの?」
訝しげに夏海を見つめながら訊ねる。すると夏海が言い辛そうに何度か口ごもりながら困ったように笑う。その様子を無言で眺めていると夏海が顔を上げた。
「エッチしたいの」
その言葉に和樹が冷めた目で笑った。
「抱いて欲しいの?」
夏海が唇を噛みながらこくりと首を縦に振る。
「脱げよ。抱いてやるから」
和樹の言葉に従うように夏海はパジャマのボタンにゆっくりと指をかけた。