言い訳~blanc noir~
沙織が目元を緩ませ微笑んだ。
またその笑顔に目を奪われそうになる。笑顔というよりは沙織が纏っているふわふわとした柔らかな空気感に引き寄せられてしまう。
こういう不思議な感覚を女に抱く事自体初めてだったせいか、自分の感情に戸惑ってしまった。
「ん?」
何も答えない和樹を不思議に思ったのか沙織は小首を傾げた。
心の中身を隠すように和樹は笑みを浮かべた。
「じゃあ。お言葉に甘えて」
「キッチン使わせてください。冷蔵庫、開けてもいいですか?」
「どうぞ。でも気の利いたものは何も入ってないと思うけど」
沙織は冷蔵庫を開けると、くすくすと肩を揺らした。
「本当に何も入ってないんですね。私そこのスーパーに行って来ます。クロの事ちょっとみててください」
「だったら僕が行って来ます。何を買って来たらいいですか?」
玄関でスニーカーを履く沙織が和樹を振り返る。
「お疲れでしょうからクロとゆっくりしててください。行ってきます」
扉が閉まると小さく鼻歌が聴こえてきた。
それが何の歌なのかよく聞き取れなかったが、沙織の無邪気さがとても愛らしく思えた。
またその笑顔に目を奪われそうになる。笑顔というよりは沙織が纏っているふわふわとした柔らかな空気感に引き寄せられてしまう。
こういう不思議な感覚を女に抱く事自体初めてだったせいか、自分の感情に戸惑ってしまった。
「ん?」
何も答えない和樹を不思議に思ったのか沙織は小首を傾げた。
心の中身を隠すように和樹は笑みを浮かべた。
「じゃあ。お言葉に甘えて」
「キッチン使わせてください。冷蔵庫、開けてもいいですか?」
「どうぞ。でも気の利いたものは何も入ってないと思うけど」
沙織は冷蔵庫を開けると、くすくすと肩を揺らした。
「本当に何も入ってないんですね。私そこのスーパーに行って来ます。クロの事ちょっとみててください」
「だったら僕が行って来ます。何を買って来たらいいですか?」
玄関でスニーカーを履く沙織が和樹を振り返る。
「お疲れでしょうからクロとゆっくりしててください。行ってきます」
扉が閉まると小さく鼻歌が聴こえてきた。
それが何の歌なのかよく聞き取れなかったが、沙織の無邪気さがとても愛らしく思えた。