言い訳~blanc noir~
「美樹ちゃん、明日じゃだめか?」
「どうして? 今日は早く上がれたんでしょ?」
「明日時間作るよ」
「今日何か用事あるの?」
「……ああ。友達と約束してる」
「友達? 彼女の私より友達と遊ぶ約束優先させるってどういう神経してるの? 1ヶ月半も放置してたくせに。そんなの納得できないわ。早く車出して?」
「ごめん。だけど明日にして欲しい」
「嫌だって言ってるでしょ? 早くマンションに向かってよ」
美樹が胸の辺りで腕を組んだまま、睨みつけるように和樹を見つめた。
「美樹ちゃん。あのね」
もう別れようと、別れてくれと、美樹にそう伝えよう。和樹が口を開く。と、和樹の言葉を遮るように美樹が口を開いた。
「何の話か知らないけどマンションで聞く。こんなところで話なんかしたくない。早く車出してよ」
和樹は深い溜息をついた。
「わかった」
そして重たい沈黙のまま車を走らせた。
沙織がやって来る7時半を過ぎるようにわざと遠回りをする。
インターホンを鳴らしても応答がなければきっと沙織は帰るだろう。
沙織、クロ、ごめんな。
「どうして? 今日は早く上がれたんでしょ?」
「明日時間作るよ」
「今日何か用事あるの?」
「……ああ。友達と約束してる」
「友達? 彼女の私より友達と遊ぶ約束優先させるってどういう神経してるの? 1ヶ月半も放置してたくせに。そんなの納得できないわ。早く車出して?」
「ごめん。だけど明日にして欲しい」
「嫌だって言ってるでしょ? 早くマンションに向かってよ」
美樹が胸の辺りで腕を組んだまま、睨みつけるように和樹を見つめた。
「美樹ちゃん。あのね」
もう別れようと、別れてくれと、美樹にそう伝えよう。和樹が口を開く。と、和樹の言葉を遮るように美樹が口を開いた。
「何の話か知らないけどマンションで聞く。こんなところで話なんかしたくない。早く車出してよ」
和樹は深い溜息をついた。
「わかった」
そして重たい沈黙のまま車を走らせた。
沙織がやって来る7時半を過ぎるようにわざと遠回りをする。
インターホンを鳴らしても応答がなければきっと沙織は帰るだろう。
沙織、クロ、ごめんな。