恋?…私次第。~好きなのは私なんです~
チクチクというのは、一回り以上の年齢差を、何、恥ずかしい事してるのよって言われてしまう事なのかな。それはやっぱり嫌な事?でも、まあ、それだって、現実にはどうなるのかって、段階だから。んー、その過程で会ってるって事についての言い訳か…。
【本当は不倫関係を望んでるんだと、そこはまた疑わなかったかな?】
んー、それは…思わなかったな。その根拠が、高守さんの何を信じてって事にはなるんだけど。
【信じられないなら、調べれば解る事だと思ったからかも知れません】
いわば、信じているって事にはなっていないって事だ。根本は信じ切れるほど人物を知らないからだ。
【私を知らないからね】
はい、そうです。何も知らない。
【ねえ、どうして?】
何だか…よく知ってる歌ので出しみたい。偶然?狙って?ちょっと深刻になりそうだと思ったから?
【何がですか?】
【嫌い?】
あ、直球だ。急にどうしたんだろ。
【嫌いじゃないなら会って欲しい】
ピンポン。
え?
これ、高守さん?
【まだ出ないで】
え?取り敢えず確認の為に玄関に向かっていた足が止まった。
【実はずっと部屋の下からメールしてたんだ】
本当に?…。こんなにずっと、長く居たの?
【決めて欲しいんだ。いいなら開けて。駄目ならそのまま開けないで】
いいって…。信じられるなら、って?
【取り敢えず的には開けないで欲しい。開かなかったら、もう、連絡はしない。ここにも来ないから】
本当に今、ドアの向こうに居るのは高守さん?
そうだとは思うけど。
別人と…上手くシンクロしたとは思えないものね。
…。
どれだけ待って判断するのだろう。堪らなく好きならもうとっくに開けている。…好きなら胸に飛び込んでる。
…聞かれた通り、嫌いではない。
【私の盛り上がり、訳が解らなくてついて来れてないでしょ】
この行動…。
【冷静に情熱ですか?】
この期に及んでも、ドアを前にしてまだメールをしている。
【いや、冷静な情熱なんて有り得ない。私はね】
では、開けてしまうのは…。その情熱を受け入れるって事に。
【開けてくれようとしてるなら、覚悟しておいて】
【嫌いではありません】
送信と同時にドアを開けた。