恋?…私次第。~好きなのは私なんです~

「ドタキャンなんだから、急な体調不良とかかも知れないでしょ?」

様子の解らない知らない人を庇うような事、まさに…どの口が言ってるんだ。よね…。ホホホ。

「うん、そんな感じらしいよ?取り敢えず、中止の連絡を急ぎでくれたから、詳しくは解んないみたい。これ…仮病かもね。
これから暇?時間ある?」

何だか解らないけど、みんな、似たような理由なのかな…。

「あ、え…ある、けど…」

具合が悪いって言ってあるから、部屋に帰っていた方がいいんだけど。

「じゃあさ、せっかくだからお茶でもしていかない?」

「あ、ここだったの?会う場所って」

ラウンジは混んで無いようだ。今ならすんなり入れそう。

「そう」

…せっかくだ。

「じゃあ、ロイヤルミルクティー、飲んで帰る」

「え?決めてたの?」

「うん。下調べっていうか、どんなメニューがあるのか、一応、ネット検索したの」

何が起きるか解らないもの、恥をかかない為にね。

「フ。なんかよく知らないけど、らしいっちゃ、らしいね」

…私の何を知ってるのよ。

「じゃ、あ、チラッと行きますか」

「うん。あ、私、どうせならケーキセットにするから」

「フ。はいはい、どうぞ、お好きなように」



「ねえ?」

「はい?」

「やっぱりいい」

「何ですか?」

「怒ってないの?」

「何にです?キャンセルに?」

「違うの。今日の事じゃなくて、何となく私に」

「え、どうして?別に?…どういう意味?」

機嫌、悪くないのかな。この前の、引き摺らないのか…。

「私はね、機嫌が悪いんじゃないかと思ってたの」

「俺が?別に?」

「だったらいいの」

「聞きましょうか?」

「え?」

「…今日、中止になって機嫌が悪いんじゃないですか?」

「あ、これは…今回は別に…いいの」

良くはない、最低な事をしてしまった。そういう意味では機嫌は悪い…はぁ。

「…へぇ。いいって。あー、会いたくなかったんだ。そうでしょ。だから中止になっても機嫌が悪くならなかったんだ。そうなんでしょ。人の事は言えないんじゃ…」

…もう、どうしてそんな事言うかな…。

「…あ。当たらずも、遠からずって感じですか?」

「もう。いいから。これ食べて飲んだら帰って寝るんだから」

「は?」
< 69 / 92 >

この作品をシェア

pagetop