恋?…私次第。~好きなのは私なんです~
「ドタキャンなんだから、急な体調不良とかかも知れないでしょ?」
様子の解らない知らない人を庇うような事、まさに…どの口が言ってるんだ。よね…。ホホホ。
「うん、そんな感じらしいよ?取り敢えず、中止の連絡を急ぎでくれたから、詳しくは解んないみたい。これ…仮病かもね。
これから暇?時間ある?」
何だか解らないけど、みんな、似たような理由なのかな…。
「あ、え…ある、けど…」
具合が悪いって言ってあるから、部屋に帰っていた方がいいんだけど。
「じゃあさ、せっかくだからお茶でもしていかない?」
「あ、ここだったの?会う場所って」
ラウンジは混んで無いようだ。今ならすんなり入れそう。
「そう」
…せっかくだ。
「じゃあ、ロイヤルミルクティー、飲んで帰る」
「え?決めてたの?」
「うん。下調べっていうか、どんなメニューがあるのか、一応、ネット検索したの」
何が起きるか解らないもの、恥をかかない為にね。
「フ。なんかよく知らないけど、らしいっちゃ、らしいね」
…私の何を知ってるのよ。
「じゃ、あ、チラッと行きますか」
「うん。あ、私、どうせならケーキセットにするから」
「フ。はいはい、どうぞ、お好きなように」
「ねえ?」
「はい?」
「やっぱりいい」
「何ですか?」
「怒ってないの?」
「何にです?キャンセルに?」
「違うの。今日の事じゃなくて、何となく私に」
「え、どうして?別に?…どういう意味?」
機嫌、悪くないのかな。この前の、引き摺らないのか…。
「私はね、機嫌が悪いんじゃないかと思ってたの」
「俺が?別に?」
「だったらいいの」
「聞きましょうか?」
「え?」
「…今日、中止になって機嫌が悪いんじゃないですか?」
「あ、これは…今回は別に…いいの」
良くはない、最低な事をしてしまった。そういう意味では機嫌は悪い…はぁ。
「…へぇ。いいって。あー、会いたくなかったんだ。そうでしょ。だから中止になっても機嫌が悪くならなかったんだ。そうなんでしょ。人の事は言えないんじゃ…」
…もう、どうしてそんな事言うかな…。
「…あ。当たらずも、遠からずって感じですか?」
「もう。いいから。これ食べて飲んだら帰って寝るんだから」
「は?」