恋?…私次第。~好きなのは私なんです~
この感じでは食べにくいだろうから帰るよ、ちゃんと食べるんだよ、と言って、高守さんも帰って行った。
シュンスケ君と言ったっけ。そう呼ばれていたと思う。
高守さんはシュンスケ君が私の事を好きだって…。
シュンスケ君は、まだ話があると言っていた。それは、好きって、言わずに帰ったから。そうだよね。
言おうとしていたことを人に言われてしまうって、それが、告白だとしたら…。腹がたつくらいのことなのかな。
はぁ、沢山、買ってきてくれていたんだ。何でも解っちゃうんだ。
…まるで子供だな。気分で、ちゃんとできないなんて。メールを返さないのだって、高守さんにしてみたら、私がどんなつもりでいるのかなんて、容易い事なのかも知れない。…お惣菜、一杯あるな。
「ねえ、梨央~」
「んー?」
「昨日の、梨央の仕事、代わりに頑張った分、コンビニスイーツでいいからね~。今週一杯ね?」
「あ、うん…。いいよ、ごめんね、有り難うございました」
「急に休むって言うから、どんだけ調子が悪いのかと思えば…そうでもなさそうだし。その代わり、変だけどね?」
「うん?変?」
「変」
「変?」
「変。変だよ、変。久々に来たモテキ?何年振り?この前の、拗れてるの?」
「…知らない」
「そう。知らないか…。って、誰の事聞いてると思ってるのよ。…もう。大丈夫なの?美魔女で、できる女、だっけ」
「え?…あ、うん」
「はぁ…。大丈夫とは思えないけど。悩み方にも色々あるでしょ?いい方に行く悩み方とそうじゃない、止めた方がいい恋愛と。その点は大丈夫なの?」
「う、ん」
…。
「止めなさい。止めてしまえ」
「…え?どうしたの?」
言葉遣い、急に"男"らしくなって。
「明るい未来の無い恋なら忘れた方がいい。敵わないって思ってるようじゃ、勝てないわよ?負けてる。思、い、が」
あ。…あ、顔を手で挟まれた。解ってる?と、言いながら、ムギューッと頬を押された。
「…まあ、綺麗な女だって?どこかきっと弱点があるはずよ。根性が悪いとかね。あ、何にもしてないって言いながら、いじりまくってる美人かも知れないじゃない?とにかく、梨央は、梨央のいいところで勝負したらいいんだから。ただ綺麗なだけって、きっと直ぐ飽きるわよ。高飛車な女かも知れないわね…」
あ、ちょっと、違うんだけど。まあ、詳しく話してないんだから仕方ないか。
「うん。有り難う」
やっとギュッと挟んでいた手をどかしてくれた。
「書き出しておくからね」
「え?」
「今週の、日替わりで買ってもらうスイーツよ」
「あ、はいはい」