恋?…私次第。~好きなのは私なんです~
「急な展開で、こっちが驚かされてる…。一体どうし」
また口づけた。
「一緒に居たって言ったら、少しは妬いてくれましたか?」
「…あぁ、当たり前だ、妬くに決まっ」
三度、口づけた。
「……梨央…」
「今夜…高守さんのものにしてください。…駄目?」
もっと、高守さんを知りたい…私に触れて欲しい…。私も…触れたいんです。
「梨央…。勢いだけのモノではないのか?…その、…一度は未遂だったから、後悔も何もなくて済んでるけど…いいのか?勿論、私は、責任を持つよ?いい加減な思いでは無いから。
無理に思いを強めようとか、アイツ…俊佑を吹っ切る為だとかなら後悔するよ?」
首を振った。
「…入ってください」
「…うん、入る」
…あっ。玄関に入った高守さんは素早く鍵を掛けると、軽々と私を抱え上げた。
「はぁ、梨央…」
…高守さん。
「…今日…、私が開けなければ、また駆け引きされてましたか?前の時みたいに」
「…何が何でも開けさせるようにはしていたと思う」
「諦めずに?」
「…うん」
頭を掻いた。
「良かった…」
「ん。梨央…、何故、こんなに急に。…まあ、…私も私なんだが…」
高守さんの裸の胸に抱かれていた。
俊佑君の思いに触発されたのかも知れない…。だったら……。俺じゃ駄目なの?って…。
「…怒られちゃう」
「ん?」
「俊佑君に」
…。
「俊佑君は若いから。だから…」
「これは…消去法で?」
私になったのか?そういう顔をしてますよね?…。
「あ、複雑に考えないでください。今は俊佑君だけの話です。どんなに好きになってもらえても、怖すぎます。性格も良くて、頭のいい、いい息子さんだと思います。だからこそ、私なんかに決めては駄目なんです。俊佑君はこれからの人じゃないですか。あ、違いますよ?高守さんは色々と、深く穿鑿しないでくださいね。
上手く言えないけど、今、俊佑君は25で、…高守さんは47なんです。
発展途上の男性と、それを経験して要領を得て来た人…。私は我が儘で、自分を出さない解り辛い人間です。それが元で駄目になるかも知れない。勿論、私が上だという事が…悲しくなるっていうのもあります。先に歳を取ってしまいますから。今の話は、高守さんに何かを言っている話ではありません。誤解はしないでください」
「…つまり、男の方が年上の方が、色々安心だって、いう事でいいのかな。私はそう思う事にしておくよ」
「高守さんの事は、また、別で話します」
「ん?」