恋?…私次第。~好きなのは私なんです~
「…実は、オヤジ狩りに遭ったのも偶然だけど理由があったんだ。詳しくは話せないけどね」
あ、は、あ。
「危ない事は、あったりなかったり、ですか?」
肩の古傷は警察官の時のモノ?それとも…探偵さんになってからのモノ?
「危ない事は今はほぼ無い、かな。依頼によるから」
「危ない依頼は受けないでくださいね。心配ですから」
「うん、なるべくそうするよ。今までは一人だったから気にしなかったけどね」
「駄目ですよ。一人だろうと何人だろうと。危ないのは駄目です」
「ん、まあ…、昔の好で…どうしてもっていうのもあるから…」
「駄目です!危ない依頼を受けない事と、…私を、危険な意味ではなく、ドキドキさせてくれる事。
守れなかったら、…おつき合い…止めますから…」
ガバッと起き上がって懇願した。
「梨央…。はぁ…。嬉しいよ」
「え?」
「こんなに心配してくれる人が出来て。嬉しいよ、梨央…。有り難う」
「だって…探偵をしてるなんて知らなかったから…」
「最初に知ってたら、私とは無かったか?あ、ズルじゃないぞ?わざと言わなかった訳じゃない」
…解ってる、知るタイミングがなかった。
「それは解りません。そもそも、最初に怪我で出会ってるし…」
「…正直だな。じゃあ、知らなくて良かったって事だ」
「もう…、これからは駄目ですからね。いつまでも…」
「若くないからね。そうだろ?まあ既にそんなに若くないから」
「…もう」
そうして濁して、変わらずちょっと危ないくらいの依頼も受けるんでしょ?
「…俊佑君だって、自立してるっていっても居るんです。心配しますから」
「…慣れてるよ。ちょっとやそっとの事では驚かなくなってるから」
だから、あの時も…?。
「ちょっとやそっとの事って、そんなに何度も?」
「あ、いや。言葉のあやだよ」
もう…、知らない!…。
「死んだって知らないんだから!」
「梨央~…。梨央?…梨央ちゃん?……梨、央。ん…梨央…」
こんな…あ、甘えて誤魔化そうとしたって………駄目なんだから…。