真昼のブルームーン
呆気にとられた私は、そんな彼の瞳の奥を見つめていた。
彼の目に私が写っていることがとても不思議に感じる。
瞳の奥で揺れる不思議な光に、私は見惚れていた。

「俺の名前は、朝日陽。君と一緒に生徒会をしたい」

あまりの勢いに思わず流されそうになる。

「…私は、やらない」

横をスッと通り過ぎようとした時、彼は呟いた。

「その答え、俺がくつがえしてやるから」

振り返った時に見た彼の目に、私は完全に魅せられていた。
中学2年の春休み最後の日。
私はこの日を忘れない。

彼を、忘れる事は出来ないだろう。
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